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コンテンツ作成料(原稿料)の支払いと支払調書

コンテンツに使う原稿や写真などを買い取る場合、原稿の作者(販売者)が個人であるか法人であるか、さらにまた居住地が日本国内であるか非居住者であるか、などによって、支払う原稿料の税法上の扱いや、支払調書の扱いが異なりますのでご注意ください。以下にそれぞれのケースの概要を説明しますが、支払調書以外の法定調書を調べたい方は、専門書にあたってみてください。

支払調書とは

支払調書とは何かを理解されていない方もおいでかと思います。支払調書は、言わば給与所得者が勤務先から貰う源泉徴収票のようなものです。個人で原稿料などを受け取る場合、法律によって、一定率の所得税(復興特別所得税を含む)が、あらかじめ差し引かれています。この場合も源泉徴収と言いますが、給与所得者ではない人には給与所得の源泉徴収票は出ませんから、代わりに支払調書というものを発行することが義務付けられています。

支払う側では源泉徴収を行うと共に、受け取る側に「いくら源泉徴収して納税してあります」という通知を行うことになっています。この通知書が「支払調書」です。またこの支払調書は、一部が税務署にも提出されます。

原稿料などの受け取り側にとっては、この支払調書が前年の所得からあらかじめ源泉徴収されて納税したことを示す証明書になります。支払調書は確定申告を行う場合に必要となる書類です。

逆に税務署にとっては、誰がいくら報酬を受け取ったかの資料になりますから、多額の報酬を受け取った人に関しては、税務署が確定申告書類をチェックする、場合によっては税務調査の対象とする根拠となります。

個人に対して原稿料などの報酬を支払う側は、所得税の源泉徴収と支払調書の作成・送付は法律上の義務になっています。個人が個人に対して報酬を支払う場合でも、義務には変わりありませんのでご注意ください。

税理士さん・税務署に相談してください

非居住者への原稿料支払いで税務署との見解の相違があった、という連絡をいただきました。当サイトに掲載しているのはあくまで原則論です。個々のケースを税務署がどう判断するかは把握できません。とくに居住者・非居住者の区分や、海外での労働と認められるかどうかは、判断が難しい場合があります。所得税源泉徴収や支払調書などの手続きも変わってきますので、疑問が残る場合には、必ず最寄りの税務署か、税理士さんに相談してください。

日本国内の買い手が日本国内の個人に原稿料を支払う場合

注:以下の記述の中に所得税の源泉徴収の記述がありますが、平成25年月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得については、復興特別所得税を併せて源泉徴収する必要があります。復興特別所得税は、所得税の2.1%ですので、従来10%の源泉徴収を行っていた場合は、10.21%の源泉徴収となります。この期間は以下の税率を読み替えてください。

国内在住の個人に対して原稿料を支払う場合には、原稿料の10%をあらかじめ所得税の源泉徴収して支払う必要があります。例えば原稿料が1万円である場合、千円をあらかじめ所得税の源泉徴収分として天引きし、9千円を支払います。千円は預かった所得税ですから、税務署に申告して納税する必要があります。なお、金額が大きい場合には20%になりますが、一般的な原稿料のやり取りではあまり考えなくて良いかと思います。

さらに原稿の書き手に対しては、原稿料を支払った翌年1月中を目処に、支払い金額と源泉徴収税額を明記した「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」(以下、支払調書)を送付する必要があります。またこの支払調書は、原稿の買い手が翌年1月31日までに税務署に提出する必要があります。詳しくは国税庁のサイトを参照してください。

支払調書には原稿料を受け取る方の住所・氏名を明記する必要がありますので、匿名での原稿のやり取りはできません。

なお消費税の扱いはちょっと面倒で、日本国内の個人に支払う原稿料にも消費税を加算する必要があります。この場合、消費税額が明示された契約になっている場合、源泉徴収は消費税分を除いて行うことになります。1万円に消費税500円を付けて支払う、と契約に明記されている場合は、源泉徴収は1万円の10%で1千円となります。

一般的には「原稿料」とあるだけで、消費税額が明示されていないケースも多々あります。この場合にも消費税が含まれていると考えますが、源泉徴収の対象となるのは、消費税を含んだ金額の10%となります。「原稿料1万円」とだけ書かれている場合、税法上はその中に5%の消費税が含まれている扱いになりますが、源泉徴収の対象は1万円の10%で1千円となります。

日本国内の買い手が海外(非居住者)の個人に原稿料を支払う場合の税務と支払調書

海外在住の個人に対して原稿料を支払う場合には、まず、その個人が税法上の「居住者」に該当するか、あるいは「非居住者」に該当するかを知る必要があります。

非居住者は海外に1年以上滞在している人、あるいは1年以上滞在する予定で出国している人などのことを言います。したがって、半年の予定で留学している人などは非居住者には該当しません。

非居住者であるかどうかは住民票の有無とは関係なく、実際に日本国内に居所があるか、あるいは実際に海外にいるかどうかが判断基準となります。日本国内に住民票を残したままであっても、1年以上海外に滞在している人ならば非居住者です。ただし公務員などの場合のように例外もありますから、判定については国税庁のサイトを参照してください。

居住者と判定される人に対する支払いは、日本国内の個人に対する支払いとなりますから、上記を参照してください。

一方、非居住者と判定される人に対する支払いは、居住者と違い、10%の源泉徴収を行う必要はなく、原稿料は満額支払うことになります。

非居住者への支払調書

非居住者への原稿料支払いに関する支払調書は本人には渡す必要はありませんが、翌年1月31日までに税務署に提出する必要があります。詳しくは国税庁のサイトを参照してください。

また、原稿料を送金する口座が国内にあるか、海外であるかは、基本的に関係がありません。原稿料を受け取る人が非居住者であれば、日本国内の口座で受け取っても、源泉徴収を行う必要はありません。

日本国内の買い手が日本国内の法人に原稿料を支払う場合

原稿料の支払先が日本国内に営業拠点を持つ法人である場合、原稿料に消費税を加算して支払う必要があります。原稿料の額を内税とするか外税とするかは、あらかじめ売り手と買い手の間でご確認ください。

日本国内の買い手が海外の法人に原稿料を支払う場合

海外の法人に対して支払いを行う場合には、消費税の支払い義務は生じません。原稿料額のみを支払えば大丈夫です。

ただし、海外法人に支払う場合には、どちらの通貨で決済するかをあらかじめ決めておく必要があります。例えばアメリカの企業とやり取りをするのであれば、原稿料の金額を円で決めるか米ドルで決めるかについて、あらかじめ合意しておく必要があります。

海外居住者あるいは海外の企業が原稿を買い取る場合

海外に在住する非居住者あるいは海外の企業が日本国内の法人・個人から原稿を買い取る場合には、源泉徴収の必要も、消費税を加えて支払う必要もありません。海外からの支払いは、消費税の対象外となりますし、海外在住者は源泉徴収の義務も負わないからです。

ただし、海外在住者同士が原稿の売り買いを行う場合には、滞在国の法に従って取引を行う必要がありますので、必要に応じてお調べください。

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