掛け算から足し算へ

■ 掛け算から足し算へ ■

こんにちは。tanzan です。

今回は前回の続きですが、もう少し科学してみたいと思います。

僕が物事をチェックする時に使うのは「仮説分析」というものです。これはまあ僕の勝手なネーミングですね。

自分がやろうとしていることが成り立つためには、どのような条件が必要なのかを洗い出すのです。あるいは自分がどんな思い込みを持っているか、何に気がついていないのかを洗い出す、と言っても良いかもしれません。そしてその実現可能性を考えます。

たとえば「セシール 事務服」というキーワードを使おうと思った場合、その前提条件は「セシール 事務服で調べる人はそこそこいる」「セシール 事務服で調べる人は購入するつもりがある」などなどです。そうでなければやる意味はありませんから。

でも、最初は実際のところはなかなかわかりませんからこうした仮説を立てて、

「では『セシール 事務服』でページを作ってみよう」

となります。

自分の思い描くルートをまず書き出します。SPAMを送ってきた人の場合なら

「5箇所にセシールの紹介を作れば引っかかりやすくなる」
「トラックバックを送ればページランクが上がる」
「同じデザインのサイトを作れば手間が省ける」

などなど。

では
「5箇所にセシールの紹介を作れば引っかかりやすくなる」

が成立するための条件・仮説は何でしょうか?それはたとえば

「検索結果上位に不動の強力サイトがいないこと」

などになります。

あるいは

「検索エンジンは5つのサイトをミラーサイトとみなさない」

ということも入れなくてはいけません。ほかにもたくさんあることでしょう。

こうして、自分がやろうとしていることが成立するためにクリアーしなくてはいけない仮説を、一見当たり前のことのように思えることも含めてリストアップしていきます。

そして仮説が本当に成立するか、成立しそうか、どのくらいの可能性がありそうか、ということを検討します。

こうした条件・仮説は意識している場合もあれば、意識されていない場合もあります。意識されていれば「仮説を立てている」ことになるわけです。意識されていなければ、単なる思い込みか、「博打を打っている」ことになります。

一見当たり前のこと、というのは、
「有名なショップサイトへ送り込んだ人の多くは購入する」
というようなことです。

実際にはカタログの請求をしたいだけかもしれないし、また、セシールの場合はそのようなことはありませんが、ユーザービリティが低くて使い物にならないようなショッピングサイトだったりしたら、いくら有名サイトであっても成果にはつながりません。

まさか、と思われるかもしれませんが、ネットショップの中にはついで程度で力を入れているわけではない、というお店も現実に存在します。

つまり
「ショップサイトのユーザビリティが高い」
ことが仮説として隠れているわけです。

こうして条件・仮説をリストアップしていって、あまりにも条件のハードルが高いとか、あまりにもクリアしなければならない条件が多い、あるいはあまりにもありそうもない仮説を使わなくてはならないような場合には、結果につながる可能性は相当低い、と言えることになります。

キーワードを「セシール」一本に絞ったとします。

仮に「セシール」で検索結果1ページ目に表示される確率を10%(実際ははるかに低い)とします。そしてセシールのトップページから入る人が購入にいたる率を10%とします。

では、自分のサイトが上位表示されて、そこから購入される確率は?

0.1 x 0.1 = 0.01

1%です。

もちろんこれにさらに、検索結果上で表示されるだけでは意味がありませんから、セシール本家ではなく自分のサイトへのリンクをクリックする確率、そして自分のサイトでセシールのバナーをクリックする確率などを掛け合わせる必要があります。それぞれを10%と考えましょう。実際にはもっと低いですけど。

前のと合わせると… 0.1 x 0.1 x 0.1 x 0.1 = 0.0001

これだけで0.01%です。

オーバーチュアの統計を見ると7月に「セシール」で検索した数は296003です。多いですか?では上の 0.0001 をかけてみましょう。

296003 x 0.0001 = 29

この人たちの平均の買い物の額が5千円、報酬を3%としましょう。

5000 x 0.03 x 29 = 4350 円。

これがすべての可能性を10%と大盤振る舞いの設定をした時の期待値です。実際にはここまで行かないことは想像できます。何しろセシールの本家がトップに表示されている検索結果で、10%の人がクリックしてくれるわけはありません。

さらに多くの場合、成果はゼロです。なぜかと言うと、これは一連のステップなので、後の結果は前の結果が完了しないとついてきません。

検索結果の1ページ目に表示されるサイトは10から20。さらにその中には本家本元およびその関連サイトが含まれますから、実際には他の人のチャンスはもっと少なくなります。そしてさらに、多くの人が同じキーワードで上位表示を狙っていますから、作ったばかりのブログでビッグキーワードで上位表示をさせる、ということはほとんど不可能です。

「セシール」で検索結果上位に表示されるという計画が狂ってこれがゼロになったら、後の数字に関係なく結果はゼロです。掛け算ですから。

0.1 x 0 x 0.1 x 0.1 = 0

こうしたやり方は仮説に仮説を重ねる「掛け算構造」になっています。確率はどんなに高くても100%、つまりは1を超えられませんから、実際にはゼロ・コンマいくつかの数字。こうした数字同士を掛け合わせて行けば、ステップが多いほど限りなくゼロに近づいていくのは当たり前のこと。

「セシール」というキーワードに絞っても、一般のサイトでは可能性は高くなるどころか、逆に低くなってしまうのです。

もちろんセシール本家をしのいで検索結果でトップ表示できるようなものすごいサイトを持っている、というなら別ですけど。

一般論として、ビッグキーワード一つに絞ることは「掛け算構造」を生み出して、可能性を低くし、さらにステップの一つでもゼロが入ったら努力は水泡に帰す、というとてもリスクが高いアプローチなのです。

ではどうするか。答は「足し算構造」を作ることです。

それが前回書いた「セシール 事務服」「セシール 制服」というようにキーワードを増やしていく、ということですね。

「セシール 事務服」が成果を出す確率は、一般のアフィリエイターにとっては多分「セシール」だけよりも高いことでしょう。「セシール 制服」もしかり。それでも「セシール 制服」だけの成果では大したものにはなりません。

仮にこれらのキーワードで成果が出る確率を0.5%とでもしましょうか。では「セシール 事務服」「セシール 制服」という二つのページを作ったら?

これらのページはお互いの結果に依存していません。独立したものですから、結果は単純には足し算と考えることができます。ですから、可能性は

0.5 + 0.5 = 1

となります。こうして異なったキーワードの組み合わせによるページを増やしていけば、単純には

0.5 + 0.5 + 0.5 + 0.5 …

すなわち 0.5 x ページ数 と、可能性がどんどん増えていくことになります。

最近では、コンテンツがろくにないページを量産しても、検索エンジンが拾ってくれませんから計画通りに行くとは限りません。それでもマイナーなキーワードを選択してページを作っていくと、ページランクが低いサイトからでも検索エンジンに拾ってもらえています。

つまりこれがロングテールですね。アマゾンが従来死に筋と呼ばれていた本を売ってトータルで利益を出しているのと同じです。

一つのビッグキーワードに絞って努力するのは、期待値で考えると普通の人にとっては労多くして益は少ないのです。

一方ロングテール狙いは、一つ一つの期待値は低くとも、足し算で考えることができるので、こつこつと増やしていけば利益が出るようになるのです。

無論どのような戦略をとるのが良いかは、どのようなサイトを持っているかによっても異なってきます。古くから持っている評価の高いサイトであれば、ビッグキーワードを使ってもひょこっと上位に掲載されることがないわけではありません。

またリスティング広告やメルマガなど他の媒体を使うかどうか、コミュニティ機能などを付けてリピーターを増やすか、などなど、多くの要素が絡みますから本当は判断は複雑です。

あくまでも、新しいサイトやブログで、他のオプションを使わない場合の話だと考えてください。